食べ物を触っただけで発症?!食物アレルギーの新事実
食物アレルギーというと生まれ持った体質であると思っていませんか?
実は後天的原因によって大人になってからでも発症する可能性があるのです。
しかも近年の研究で、アレルゲンとなる食べ物を食べていなくても触りすぎることで発症する場合があることが分かってきたのです。
一体どういうことなのでしょうか?
■INDEX■
1.食物アレルギーとは?
2.食べなくても触りすぎで発症する食物アレルギー
3.意外なものも食物アレルギーの原因に
食物アレルギーとは?
食物アレルギーとは、食べ物に含まれるアレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を摂取することで、体の免疫機能が過剰に反応してしまい、蕁麻疹などの皮膚症状や血圧低下や呼吸困難、意識障害など様々な症状を引き起こすものです。
消費者庁が全国の調査をもとにアレルギー症状を引き起こす可能性がある特定の原材料27品目の表示を奨励または義務付けています。
とくに発症数が多く重篤な症状を起こす可能性が高い「卵・乳・小麦・落花生・えび・そば・かに」の7品目は表示が義務付けられています。
この7品目に比べると発症数や重篤度は低いですが表示が奨励されている食品は
「あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン」の20品目が挙げられています。
食べなくても触りすぎで発症する食物アレルギー
一般的に食物アレルギーは体の中のリンパ節にいるT細胞と呼ばれる免疫細胞が口から取り込んだ食べ物を敵だと認識することがきっかけで発症すると考えられています。
しかし近年の研究では、アレルゲンが肌に触れるだけでもアレルギーを発症するということが分かってきました。
とくに湿疹など肌荒れがひどい状態でアレルゲンとなる食べ物を触り続けたり、自己流の美容法で食べ物を肌につけるなどの行為は要注意。
これは肌荒れなど皮膚に炎症があると、そこにアレルゲンが触れることで表皮に存在する樹状細胞と呼ばれる細胞が活性化し、T細胞に異物(アレルゲン)を「敵だ!」と報告します。
T細胞がその報告された異物を敵だと認識すると体内に攻撃用の細胞を増やすことでアレルギー症状が起こるのだそう。
自分では気づいていない程度の肌荒れでも長時間肌に触れていたり、触れる量や頻度が高いと危険性が増すと考えられています。
あるテレビ番組では手荒れのひどい状態で料理をし続け人参アレルギーになった事例や、レストランの調理師が手荒れの状態で魚を毎日触り魚アレルギーを発症した事例、またピーナッツオイル入りの保湿クリームを使っていてピーナッツアレルギーを起こした事例や、美容目的でシャンプーや化粧品にはちみつを混ぜて使っていたところはちみつアレルギーを発症した事例などが紹介されていました。
牛乳やお茶、柑橘類など食品由来の成分が入った化粧品なども多くありますが、これらの多くは食物アレルギーが出ないように精製され安全な方法で製造されています。
注意すべきなのは自己流で食べ物を使った美容法を取り入れることなのです。
意外なものも食物アレルギーの原因に
先に紹介したアレルゲンとなりやすい食品だけでなく、そのアレルゲンと同じ成分を持つ物質でも食物アレルギーを引き起こす可能性があります。
例えば、ペットを飼っている人は動物に寄生しているマダニの唾液に含まれる成分が牛肉に含まれる成分と同じであることから、マダニに噛まれることで肉アレルギーを発症する可能性があります。
また医療従事者などは手袋やおもちゃなどに使われている天然ゴム(ラテックス)と、栗やバナナ・アボカドに共通の成分が含まれているため、ラテックスアレルギーの人が果物アレルギーを発症する可能性があります。
またサーフィンなど海によく入る人は、クラゲと納豆のネバネバ成分に共通の成分が含まれていることから、クラゲに刺されることで納豆アレルギーになる可能性があります。
いかがでしたか?
食物アレルギーは時には命に関わる重篤な症状を引き起こす怖い疾患。
気になる症状があれば安易に自己判断せず、医療機関で血液検査など受けてみることをおすすめします。
2018年4月16日